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コーヒーの「時間」と「美味しさ」の関係。

「美味しさ」を作る「時間」

料理において一般的には「素材」や料理人の「技術」に注目が集まりますが、美味しさを作る上でも重要な要因があります。それは「時間」です。

 

たとえばお寿司はカウンターごしに座って食べるのが一番美味しいと言われます。それはすしを作る側からすると、にぎりたてのものをすぐに食べてほしいからです。寿司の場合、作り手はにぎった直後の味わいをを想定して味作りをしています。そのため握ってからお客さまの口にするまでの「時間」はできるだけ短いものにしたいということがあります。

 

フランス料理店やイタリア料理店においては、給仕が早足でテーブルに料理を持っていく姿を目にすることができます。これは料理をお客様に作りたてのベストな状態で出すことを重要視しているためです。

 

手をあまり加えない単純な料理において、「時間」の要素はなお大きくなります。仮に日本料理の大家が魚を焼いたとしても、それが10時間も経過してしまったものであれば、その味は批評するものではなくなるのではないでしょうか。

コーヒーにおける「時間」

コーヒーにおいても「時間」の要因は、はずせません。コーヒーにおける「時間」を考えたとき、ひとつはそのコーヒーがいつ焙煎されたのかということです。コーヒーは生豆から焙煎という熱加工処理を加える以上、いつ焙煎されたのかということは、美味しさを手に入れるうえで重要となってきます。

 

もうひとつコーヒーを「時間」から考えたとき外せないことは、そのコーヒーがいつ抽出されたのかということです。コーヒーは酸素にふれることでその味わいを変化させていきます。長時間経過すればより酸素にふれることで成分が酸化し、それが一定量をこえると味わいが劣化したということになります。

 

コーヒーは抽出すれば特に味わい、風味ともに劣化するスピードが早くなります。基本的にはコーヒーは抽出したてのものを飲むべき飲み物です。つくり置きされて保温ポッドにいれられていたり、加熱プレートに置かれて時間が経過したコーヒーは、その銘柄の本来の持ち味を表現できているとはいいがたい状態となります。温度を高い状態に保っておけばその味わいも保たれるというわけではありません。

 

コーヒーでいわれることのひとつに、「コーヒーは熱い温度のものでなければ楽しめない飲み物だ」というものがあります。しかしそれは誤解です。品質の高いコーヒーは、温度が冷めても美味しいのです。

 

熱いときには熱いときに楽しめる味わいがあり、温度が冷めたらまた違う魅力を発見することができる。これが本来のコーヒーのもつ力です。